「2050年カーボンニュートラル社会の実現」に向けて、世の中が動き始めています。
建築部門では「既築住宅・建築物についても、省エネルギー改修や省エネルギー機器導入等を進めることで、2050年に住宅・建築物のストック平均でZEH・ZEB水準の省エネルギー性能*が確保されていることを目指す」ことが国により示されると共に、「この目標実現の為に2030年時点における新築建築物の省エネ性能をZEH・ZEB水準に引き上げることが不可欠」である旨が示されました。
また、太陽光発電を主体とした再生可能エネルギーの導入については、2030年時点で6割の新築住宅に太陽光発電を導入することが目標として掲げられています。
ZEHそしてZEBの定義が示されて以降、実務者の方々の献身的な努力により、ZEH、ZEBは一定の普及の道を歩んで来ました。しかし、「脱炭素社会の実現」をゴールに定めた以上、私たちはこの普及の足を今以上に加速しなくてはなりません。
また、「モビリティ社会の低炭素化」と「住宅・建築物の再生可能エネルギー普及策」の関連性は、今まで以上に深化してゆくことになるでしょう。
これら社会課題克服のカギを握るのは、消費者や建築主ひとりひとりの価値感の変容にあると考えています。
人々の心を置き去りにすることなく、官民が知恵を出し合い、価値ある住宅・建築物を消費者が正しく選択することができる市場を創造すれば、脱炭素社会は必ず実現できると確信しております。
わたくしごとになりますが、2022年は、自身がZEHやZEBに関わり始めてから丁度10年目の節目の年になります。
「これを機に原点に立ち戻り、自身のナレッジを元に社会に貢献したい」との想いから、このたび “ベーシックユニット”(原単位、基本単位)という名前の小さな会社を設立することに致しました。
今後は、住宅・建築物の領域における脱炭素社会の実現に向けた様々な課題解決に全力で取り組んで参る所存です。
これから出会う皆様と共に脱炭素社会を築いてゆくことを考えると楽しみでなりません。
2022年
株式会社 ベーシックユニット
代表取締役 宮川 昌己
* ZEH・ZEB水準の省エネルギー性能とは
ストック平均で住宅についてはZEHの定義に示す断熱性能を確保した上で一次エネルギー消費量を省エネルギー基準から20%程度削減、建築物については用途に応じて30%または40%程度削減されている状態をいいます。